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2005/07/30

地方都市中心街復活の方策

1998年の「まちづくり三法」制定以来、日本各地で中心市街地活性化に向けた取り組みが始まっている。しかし、特に人口50万人以下の地方都市の中心街においてはほとんど成果が上がっていない。郊外店、あるいは東京や大都市との競争に敗れ、中小小売店・大型店を問わず倒産・閉店が相次ぎ「シャッター通り」化が進んでいる。

その一方、中心街から少し離れた住宅地や小さな市町村にある商店街の中には、数少ないが近隣社会と(時には自治体・NPOを通して)強い関係を結び、地域コミュニティの核となりまた自らも繁栄する商店街も存在する。この差はどこから起こるのだろうか。中心街がそれらの商店街のように復活する道はないのだろうか。

ここでは「中心街」を、地域経済圏の中心である都市の、古くからの繁華街あるいは交通の結節点にある、買回り品(衣料品・家電製品など、多くの店で見比べて購入する商品)の小売店(百貨店含む)中心の商店街(広域型商店街)とする。これらの商店街を追い込んだ競争相手としては、価格・自家用車によるアクセスに優れた郊外・ロードサイド型の大型ショッピングモール・量販店と、「個性的な品揃え」に優れた東京やその都市よりも大きな都市の小売店・サービス業がある。

前者に対しては、価格・自家用車によるアクセスでは勝負にならないので、むしろ自家用車を利用できない人(高齢者・小中学生など)向けに公共交通との連携や、徒歩圏の顧客の掘り起こしによって住み分ける方法がある(課題設定であげたような最寄品(食料品・日用雑貨など毎日購入するような商品)中心の近隣型商店街への変化)

後者に対しては、地元商圏相手の商売から、観光資源を作成・発掘し他地域からの観光客相手の商店街に変化する方法と、自らの中に少なくとも商圏内にはない「個性的な品揃え」の小売店・サービス業を育成してゆく方法がある。

ここであげた3つのやり方について、現状でわかっていること・今後調べていきたいことを表にまとめてみた。

方法 近隣型商店街への転換 「個性的な品揃え」の店舗の内発的育成 観光開発
商圏 徒歩圏内へ縮小 現状維持 日本中・世界中へ拡大
顧客タイプ 近隣居住者
高齢者・専業主婦・児童
その都市の経済圏内
学生・フリーター・サラリーマン
10代~30代の若い男女
他地域からの観光客
高齢者・主婦・若い女性
趣味者
仮想敵 郊外型スーパー・量販店
コンビニチェーン
東京・地方中核都市・県庁所在地等その都市よりも大きな都市の、より「個性的」な同業種
郊外型ショッピングモール(全国ブランドのテナント)
他地域の観光地
育成すべき業種の一例 食料品店
日用品店
地域型コンビニ
ファッション・雑貨関連店
カフェなど飲食店
観光・娯楽業
宿泊施設
伝統産業
みやげ物店
実例 福岡・筥崎
亀有・東和銀座
富山・FREAK POCKET
徳島・新町リバーウォーク
長浜・黒壁
伊勢・おはらい通り
湯布院
公共セクター(行政・NPO)の役割 近隣居住者の交流施設・集客施設の設置(保育所・福祉施設など) (若者や定年退職者向け)起業支援
集客施設(大学・公共施設など)の誘致
観光資源の発掘・作成
観光地としての他地域に向けたPR
実行する場合の問題点 近隣居住人口は十分いるか?
その中にターゲットとする高齢者などの顧客が十分いるか?(近隣地域で商店街を中心とした地域コミュニティが望まれているか)
業種・業態の転換・入替は可能か?
商圏内に十分な経済力があるか?
その中にターゲットとする学生などの顧客が十分にいるか?
彼らがこの地域に来ているか?来ていなければどのようにして集めるか?
どのような業種・業態が望まれているかどう見極めて、それをどのように育成していくのか?
観光資源があるか?もしなければ外から持ってこられるか?
その観光資源は飽きられないか?
業種・業態の転換・入替は可能か?

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